正しく咬んで歯並びを育てる
投稿日:2024年9月27日
カテゴリ:スタッフブログ
以前に矯正治療を受ける以外に歯並びを良くするためにできることをいくつか紹介しました。
今回はその中でも
前歯で咬み、舌の正しい位置を習慣にすることが大切
について、もう少し細かいところまでお話ししようと思います。
歯は顎の骨に植わってしっかりしていますが、直接骨とくっついているわけではなく、
歯根膜という腱のような組織で固定されています。
歯の生える方向を決めるのはその歯根膜になります。
歯をまっすぐにするには、歯根膜に対して垂直に力を加える必要があります。
まっすぐ咬めば、歯根膜は勝手に歯を正しい位置に修正してくれるのです。
ではこの前歯で垂直に咬むとはどういうことかと言いますと、
簡単に言えば大きめの食材をかぶりつくようにすればいいのです。
普段食べものを口に入れ、細かく咬んで咀嚼し飲み込むという一連の過程に
あまり注意を向けていないと思います。
小さいころによく噛んでのみこむように言われたことがあるかと思いますが、
そのかむとは奥歯でかむことをイメージされていると思います。
歯は場所によって機能が異なり、それぞれ機能に適した大きさ、形態をしています。
大きな食材を口に入れるための前歯で咬みきる咬断運動、
小臼歯は固い食材をつぶす破砕運動、
大臼歯は食材を細かくする臼磨運動です。
咬み方の違いは食べ物の形状や固さによって変わり、三つの運動を
無意識に組み合わせて食事をしているのです。
大きなものを咬みきる「咬む」と細かくすりつぶす「噛む」
噛むことを意識しても咬むことにはあまり意識が向いていないことにお気づきかと思います。
普段気にするのは主に噛む方だと思いますが、咬むことが歯並びにとっては大事なのです。
ちなみに野菜を丸ごと食べるには噛むと咬む両方が必要ですが、野菜ジュースでは
どちらも不要なため栄養は摂取できても、歯並びにとっては少しもったいないですね。
上顎の骨は10歳まで発育します。
舌によって押されることで刺激を受けて上あごは成長します。
上あごが正しく成長するためには、舌がいつも上あごに接している必要があるのです。
成長が著しい第一次成長期から第二成長期を迎える10歳ころまでに、舌がいつも上あごに
ついている習慣を身につけさせて、口腔内の空間を広げておくことが重要です。
普段口がわずかに空いている口ぽかんは、歯並びにとって最悪な習慣です。
口ぽかんの子供の舌は上あごに接しておらず、舌が落ちて低い状態になっています。
そのせいで上あごに対する発育刺激がへり、十分な発育ができずに口の中が狭くなってしまいます。
その結果、上あごに歯が並ぶスペースが十分にできず、叢生や出っ歯の要因になってしまうのです。
テレビを見ているときなど、口ポカンに気づいたら注意してあげましょう。
成長がすんでないお子さんがいる方は、将来矯正治療をしないで済むように
意識してみてはいかがでしょうか。
虫歯のチェックだけでなく歯並びの状態も定期的に専門家に診てもらうことをお勧めします。
さいたま市の歯科検診は伊藤歯科医院まで
■ 他の記事を読む■