子どもの形成不全は治るの?
投稿日:2023年9月11日
カテゴリ:スタッフブログ
皆さんは、形成不全という言葉を聞いたことがありますか?
歯科検診でむし歯ではないけれど、弱い歯があります。と言われた経験はありませんか?
それは形成不全かもしれません。
形成不全とは、表層にある白いエナメル質が正常につくられない歯のことをいいます。見た目は白くまだらだったり、初期むし歯のように見えます。
形成不全になる原因は胎児期、つまり母親の妊娠期に何らかの全身的障害(例えば、母体の栄養障害、病気、内分泌異常、感染、代謝異常、特定薬物の長期継続投与、ホルモン異常、ビタミン不足、など)で歯の形成、成長が一時的に阻害されることにより形成不全が起こります。
形成不全は歯の中で1番硬い部分のエナメル質が適切に歯が作られていないため,むし歯になるリスクが高いです。そしてむし歯の進行も早いため注意が必要です。特に奥歯は噛む面は複雑な構造をしており汚れがたまりやすく、ハブラシの毛先が届きにくいために歯と歯の間もむし歯になりやすい部分です。
歯磨きをする際はハブラシを細かく動かし一歯ずつ丁寧に磨くことが大切になります。お子様の形成不全には保護者の方の仕上げ磨きもとても大切です。またフロスも行ってあげましょう。
お子様に形成不全の部分を鏡で見せ、説明をし歯磨きが大切なことをお話しするとモチベーションにも繋がります。
歯磨き粉は、フッ素とカルシウム、リン酸の配合により再石灰化を促進しむし歯を予防します。
そのため、少量のお水で軽くゆすぐようにして下さい。当院ではクリンプロという商品をおすすめしています。
(※再石灰化とはむし歯菌などがつくった酸で溶かされた歯のエナメル質表面の無機成分が唾液などの働きで再び歯の表面に形成される現象を言います)
またお子様の形成不全には歯磨きをした後にゆすがないタイプのMIペーストを塗ることをおすすめしています。
MIペーストとは牛乳由来の成分から抽出した「リカルデント(CCP-ACP)」が入っており、歯にカルシウムの成分を戻りやすくしてくれる、つまり「再石灰化」を促してくれるのです。
さらにMIペーストはミネラル成分も豊富で、通常の唾液中の濃度と比較すると、カルシウムは約190倍、リンは約20倍も含まれています。これらの成分のおかげで、カルシウムが歯に戻りやすくなります。
また、乳歯の時にむし歯がひどく、ぶつけたなどの外傷を負った場合は、これから生え変わってくる永久歯に形成不全として影響が出ることがあります。
場合によっては治療を行うことがありますが、基本的に形成不全は治療は必要ありません。日々の口腔清掃が大切になります。
伊藤歯科では歯科衛生士によるブラッシング指導や、MIペーストの塗布も行っております。
さいたま市中央区でお子様の歯の形成不全で何か不安なことがありましたら一度伊藤歯科にご来院ください。
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