オーラルフレイル、かむ、飲み込む力とは?
投稿日:2023年4月28日
カテゴリ:スタッフブログ
みなさんこんにちは。
いつも伊藤歯科医院のブログをご覧いただきありがとうございます。
みなさん、オーラルフレイルってご存知ですか?
オーラルフレイルとは『歯や口の機能が衰えた状態』のことです。
「話がしにくい・飲み込みにくい・むせる・こぼす」などが、舌を含めた口の周囲の筋肉の衰えでおこります。 健康な状態と要介護の間には、筋力や心身の活力が低下する「フレイル(虚弱)」の段階があります。
オーラルフレイルは、身体のフレイルの前に現れることが多く、放置すればやがてフレイルに進み、要介護状態となるリスクがあります。逆に言えば、オーラルフレイルの段階で適切な対策をとれば要介護状態を予防することができます。人生100年時代の今、最期まで元気で活動できる状態をめざすには、オーラルフレイルの対策をとることが大切なのです。
では、なぜオーラルフレイルは起こってしまうのでしょうか。
「歯を失う」→「噛めない」→「やわらかいものばかり食べるようになる」→「噛む機能が低下」の悪循環によって起こります。
本来、歯は上下で32本(親知らずを除くと28本)ですが、何でも噛むことができるためには20本以上保つことが必要です。奥歯でしっかり噛めないと、あごを動かすのに必要な筋力が低下します。
また、筋肉のかたまりである舌の力も衰え、食べものを飲み込み、のどに正しく送りこむことができなくなります。その結果、食事が十分にとれないことによる栄養不足や、誤嚥による肺炎(誤嚥性肺炎)が起こりやすくなります。
肺炎は日本人の死因第3位の深刻な病気ですが、年齢が高くなるほど誤嚥性肺炎の割合が増え、80代以上の肺炎はほとんどが誤嚥性肺炎です。
オーラルフレイルに対する5つの効果別体操があります。
①お口、舌の動きをスムーズにする
〈(唇を中心とした)口の体操〉1.口をすぼめる。
2.「イ~」と横に開く。
〈パタカラ体操〉1.「パ」…唇をはじくように
2.「タ」…舌先を上の前歯の裏につけるように
3.「カ」…舌の奥を上顎の奥につけるように
4.「ラ」…舌をまるめるように
各発音 8回を2セット行う。
②飲み込むパワーをつける
〈開口訓練〉1日10秒間×2セット(朝・夕)行って下さい
1.ゆっくり大きく口を開け10秒間保持する。
- 2.しっかり口を閉じて10秒間休憩する。
③かむパワーをつける
〈咀嚼訓練〉ガムをかむことによりかむために必要な筋肉を鍛えることができます。
1日2回(朝と夜)、2分間はリズムを決めて、3分間は自由に、計5分間ガムを噛む。
1.唇を閉じて、しっかりとかむ。
2.ガムは1か所でかまず、左右両側で均等にかむ。
3.姿勢を正してかむ。
④滑舌をよくする
〈早口言葉〉レベル1.なまむぎ なまごめ なまたまご(生麦 生米 生卵)
レベル2.隣の客はよく柿食う客だ
レベル3.あおまきがみ あかまきがみ きまきがみ(青巻紙 赤巻紙 黄巻紙)
レベル4.隣の竹垣に竹立てかけたのは
竹立てかけたかったので 竹立てかけた
※口を大きく動かしながら、3回続けて言ってみましょう
⑤舌のパワーをつける
〈舌トレーニング〉1.舌で下顎の先を触るつもりで伸ばす。
2.舌で鼻のあたまを触るつもりで伸ばす。
3.舌を左右に伸ばす。
4.お口の周りをぐるりと舌を動かす。
5.スプーンなどを使って、舌に当てて押し、
その力に抵抗するように舌を上げます。
(右から・左から・前から と同様に行います)。
オーラルフレイルを予防・改善することによって健康寿命を延ばしましょう。
また、かめる歯を残すためには定期的なメンテナンスが重要です。
さいたま市でメンテナンスをご希望の方は伊藤歯科医院へお越し下さい。
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