糖尿病と歯周病の関係性について
投稿日:2023年5月29日
カテゴリ:スタッフブログ
今回は糖尿病と歯周病の関連についてお話ししていきます。
まず、糖尿病の基礎知識からです。
糖尿病にも型があり1型糖尿病と2型糖尿病があります。
簡単に説明すると、1型糖尿病は血糖値を下げる作用があるインスリンを分泌する細胞が破壊されることで、インスリンの量が不足し血糖値が上がってしまう状態です。
2型糖尿病は、世の中で一般的にイメージされている糖尿病になります。もともとの体質(遺伝子要因)に食生活の乱れ、運動不足、肥満が組み合わさり血糖値が上がってします状態です。糖尿病のうち90パーセント以上をこの2型糖尿病で占めるため、ひと口に糖尿病というと2型糖尿病を指すことがほとんどです。
どちらの糖尿病にも言えることは、血糖値が正常値よりも上がってしまうことで、身体に症状を生じていきます。
具体的に言うと、血糖値が正常値よりも高くなってしまうことで身体の免疫を守る白血球の作用が弱くなってしまい、簡単に感染を起こしやすい状態になってしまいます。
お口の中、歯の周りにも免疫は当然あるので、糖尿病により免疫が弱まると歯周菌によって歯周病が進行しやすくなってしまいます。
これが糖尿病が歯周病に関わる理由です。
そのため、歯科ではHbA1cという値が糖尿病のコントロールの指標となっていて、患者様には数値をお聞きしています。
先程の内容をまとめると、血糖値の乱れが、お口の免疫の乱れを起こし歯周病が進行しやすくなるという内容です。
次に歯周病から見た糖尿病を考えていきます。
歯周病は歯を支える組織の炎症になります。炎症が起きているので、炎症を引き起こす物質が歯を支える組織に存在しています。
そして、お口の中や歯を支える組織は血管、血液を介して全身とつながっています。
そのため、歯周病による炎症物質が血管を通して全身を駆け巡ることになります。この炎症物質が血糖値を上げる作用があるため糖尿病がより悪化し、糖尿病が悪化することで免疫が下がり歯周病の炎症が悪化する、という負の連鎖がつながります。
そのため、歯周病の視点から見ると、お口のコントロールをすることで炎症物質を少なくし、糖尿病のコントロールつまり血糖値上昇を抑えることにもつながります。
以上のことから糖尿病と歯周病は相互作用が強く、深いつながりがあることがわかりますね。
最後にまとめると、全身の健康のためにはお口の中のコントロールが欠かせないということです。
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