歯肉炎?歯周病?それって歯肉増殖かも!?
投稿日:2022年12月30日
カテゴリ:スタッフブログ
みなさんこんにちは。いつも伊藤歯科医院のブログをご覧いただきありがとうございます。
今日は歯肉増殖についてお話しします。
歯肉増殖は歯肉を構成する細胞成分の増加によって起こります。
歯肉増殖が起こる原因として炎症、ホルモン、局所刺激、薬の副作用、遺伝など様々あります。
歯肉増殖は、炎症性歯肉増殖、薬物性歯肉増殖症、遺伝性歯肉増殖症に分類することができます。それぞれ特徴と処置方法についてお話しします。
◯炎症性歯肉増殖
プラークに起因する慢性炎症により、歯茎の腫脹がみられることがあります。急性炎症としては膿瘍の形成がみられます。
また、全身的因子により生じることもあり、
・思春期や妊娠期におけるホルモンの変化による歯肉増殖(思春期性歯肉炎、妊娠性歯肉炎)
・ビタミンC欠乏による歯肉増殖(壊血病性歯肉炎)
・白血病にみられる歯肉増殖(白血病性歯肉炎)などがあげられます。
処置法として、プラークコントロールや歯医者でのクリーニングを行います。
◯薬物性歯肉増殖症
薬物の長期服用(服用後3ヶ月頃)の副作用と、プラークが反応し、歯肉の増殖・歯肉ポケットが形成されます。
代表的な薬として、
①抗けいれん薬(フェニトイン)
②カルシウム拮抗系高圧薬(二ファジピン)
③免疫抑制薬(シクロスポリンA)などがあげられます。
前歯に出現しやすく、部分的に発現する限局型と口腔内全体に発現する広汎型があります。わずかに歯を覆うものから、歯全体を覆うものまで程度は様々です。
処置法として、軽度の歯肉増殖の場合は、プラークコントロールや歯医者でのクリーニングをまず行い、内科の先生へ服用する薬の変更について打診します。歯肉増殖が著しい場合は、最初から歯周外科治療(歯肉切除術)を選択することが多いです。再発しやすいので定期的なクリーニングが重要となります。
◯遺伝性歯肉増殖症
遺伝因子が関与し、家族性に発現がみられるまれな疾患です。炎症性歯肉増殖や薬物性歯肉増殖症とは異なり、プラークとは無関係に進行します。若年者に多く、永久歯の前歯やまれに乳歯の前歯が萌出するとともに生じやすいです。重症例では歯の萌出障害、咬合・咀嚼機能障害、審美障害、不正咬合が生じることがあります。
処置法として、プラークコントロールやクリーニングをまず行います。増殖が著しい場合は歯周外科治療(歯肉切除術)を行います。
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