根の治療の必要性と成功率をアップさせるための対策
投稿日:2024年2月2日
カテゴリ:スタッフブログ
本日は根の治療の必要性と成功率をアップさせるための対策についてご説明します。
なぜ根の治療が必要なのか。
多くはむし歯が大きく進行し、神経まで達してしまった場合が考えられます。
これにより激痛で神経を取らざるを得なくなってしまったり、根の先にできる病気(根尖病巣)を治すために根の治療が必要になります。
(また根の治療が途中のまま放置していると、根尖病巣が広がり最悪の場合は抜歯、周囲の歯に影響が出ることもあります。さらに根の内部が石灰化し、治療が困難になるケースも考えられます。)
昔は痛みが出ない様にするため、早期に歯の神経を取る処置が行われていた時期がありましたが、現在では歯を長持ちさせるためには神経はできるだけ残しておくべきだと言われています。
しかしそんな現在でも実際に多くの方が根の治療を受けており、平成29年の神経を取る処置と根の再治療の件数は合計で約14,900,000件で、全国各地の多くの歯科医院で根の治療を実施したと報告されています。
根っこの治療にはさまざまな器具が使われており、その器具はとても細く根の中で折れてしまったり、複雑な根の中にスムーズに入らない物もあります。
近年では最新の器具が開発され、治療の安全性や成功率が上がってきています。さらにマイクロスコープやCT画像を用いる事で成功率もより上げることができるのです。
根の治療の成功率が上がれば再び根の治療をやり直す可能性が低くなるので、歯の寿命を伸ばすことにもつながります。
いわば、根の治療の良し悪しで歯の寿命が大きく変化するということです。
ではどのような対策をすれば根の治療の成功率を上げることができるのでしょうか。
対策① 処置環境の無菌化
対策② 殺菌・消毒の徹底
①処置環境の無菌化をする為にラバーダムの使用が挙げられます。
これは口腔内の多くの細菌が根管内(根の中の部屋)に侵入しないように細菌から歯をカバーする道具です。
2009年歯内療法学会ガイドラインでは「全ての根管の清掃・形成・消毒・閉鎖は常に無菌的処置化で行われるべきである」と示されています。
ラバーダムを使用することで無菌状態に近づけることが重要とされています。
しかし保険適応の治療でラバーダムの使用は義務化されておらず、歯科医院では自費の根の治療の際にラバーダムを用いることが多いです。
②殺菌・消毒の徹底は根の中の細菌数を減らす目的で行われており、機械的拡大・科学的洗浄・根管内貼薬の3つがあります。
根管内の細菌・軟化した歯質の除去にはファイルと呼ばれる針のような器具を使用します。
手動や電動のもの、材質もさまざまです。
小さな歯の内部の壁にこびり付いた汚れを針のように細い器具で掃除をしていくので、慎重かつ繊細な技術が必要とされます。
掃除をしたら超音波洗浄、次亜塩素酸ナトリウムやEDTAという消毒液で消毒します。
根管内は大きな部屋だけではなく複雑に入り組んだ構造をしているために何度も掃除、洗浄・消毒を繰り返します。
綺麗になったら、根管内に殺菌効果のある薬を充填していきます。
充填は根の先にある根尖孔と呼ばれる歯と骨の間にある孔を閉鎖して歯の内部と生体を隔離し、隙間ができないように充填することで細菌が繁殖するのを防ぐ目的もあります。
しかし現在の歯科保険治療で全てを完璧にできるわけではありません。
根の治療の成功率を上げるためには、ラバーダムを使用し無菌状態に近づけ、マイクロスコープで根管内を目視しながら、柔軟性のあるファイルで根管内での破折を防ぎ、抗菌殺菌作用の高い薬剤を充填することが求められます。
今後根の治療を予定されている方は、ぜひこのような設備の整った歯科医院での治療をおすすめします。
伊藤歯科医院でも設備を整えておりますので、さいたま市中央区で根の治療でお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。
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