歯科処置の偶発症 皮下気腫について
投稿日:2024年3月22日
カテゴリ:スタッフブログ
どうもみなさん、こんにちは。
今回は歯科処置の偶発症のひとつである皮下気腫についての内容をお伝えしていこうと思います。よろしくお願いします。
まず皮下気腫とは何か?ということからです。
皮下気腫は、歯科用の器械から出る空気が皮下組織の隙間に入り込むことで起こります。
空気が出る歯科用器械ですが、具体的には虫歯治療に使うエアタービン、空気と水が出る3wayシリンジ、根の治療に使う消毒薬である次亜塩素酸の発泡、歯科用レーザーの冷却エアなど多くあります。
皮下気腫が起きやすい症例は、埋まった親知らずを抜く処置をしているときに多いです。
埋まった親知らずを抜くには、歯の頭を分割して歯の頭と根っこを別々に取り出していく必要があります。分割時にエアタービンを使用すると、タービンから出る圧縮空気が抜歯を行なっている術野から皮下組織に侵入し皮下気腫を起こすことがあります。
次に皮下気腫の症状です。
急な顔面の腫脹と空気が入ったところを押すとプチプチ音がなる捻髪音が特徴です。
次に皮下気腫の対応についてです。
ひとつめは抗生剤の服用です。理由は炎症によって腫れているわけでは無いのですが、空気が入り込む時、お口の中の細菌を一緒に組織の中に入れてしまう可能性があります。そうなると入り込んだ細菌によって感染と炎症が起こる可能性があるからです。
ふたつめは安静にし1週間から2週間ほど経過観察をします。
このとき、空気が入って腫れているところを指などで頻繁に触ったり押したりしないで安静にすることがポイントです。
理由は、空気は次第に吸収され徐々に腫れは引いて来るからです。また頻繁に腫れている部位を押したりすると入り込んだ空気が別の箇所に拡散移動してしまい、最悪の場合には気道周囲に空気を押し込むことになってしまうからです。腫れて心配かと思いますが、安静にし触らないのがポイントです。
3つめですが、場合によっては医家へ紹介させていただきCT撮影を依頼する場合がございます。
理由は、どこに空気が入り込んでいるのか確認するためです。
稀に、喉や気管の周りまで空気が入り込んでしまうことがあるます。そうなると入り込んだ空気によって、気管が圧迫され呼吸がしづらくなります。最悪の場合には窒息を起こすことがあります。よって喉や気管の周囲まで空気が入り込んだ可能性があるときは医科への紹介とCT撮影をさせていただきます。
以上が皮下気腫の対応になります。
さいたま市中央区の歯医者でお口の事が気になる方はぜひおこしください。
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