酸蝕症とむし歯のちがい
投稿日:2023年2月8日
カテゴリ:スタッフブログ
みなさん、こんにちは!いつもブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は”酸蝕症”と”むし歯”についてお伝えさせていただきます。
≪原因の違い≫
”むし歯”の原因となる酸は、ご存じのように「プラーク」と呼ばれる細菌のかたまりが糖質から作り出します。一方”酸蝕症”では細菌の介在がないので、ダイレクトに飲食物に含まれる酸が歯の面を刺激します。ですから、歯磨きが上手で磨き残しが無い方やむし歯になるリスクが低い方でも、酸性の飲料を長時間チビチビ飲んでいると、酸蝕症のリスクは高くなります。
酸性の飲み物、pHが低い飲み物に含まれる酸は、歯に触れると歯のミネラルと化学反応を起こし、この反応によって歯からミネラルが溶け出す”脱灰”が起こり始めます。pHの低い飲み物や食べ物を普通に摂取しても、唾液が正常に出ている方は、唾液が酸を中和してくれるので問題にはなりません。しかし、pHの低い飲み物や食べ物を時間をかけてチビチビ飲んだり、だらだら食べると、酸が歯に触れている時間が長くなり唾液が中性に戻る時間がありません。ひどくなると、歯の表面のエナメル質やその中にある象牙質の表面がやわらかくなり、減っていきます。この現象が”酸蝕症”です。
酸蝕症の主な原因は、酸性飲食物の過剰摂取や長く摂りつづけることですが、逆流性食道炎や摂食障害などの疾病があり、口の中に酸性の物が持続的に存在するような場合も酸蝕症につながってしまいます。
≪見た目の違い≫
むし歯はプラークが付きやすい歯の部分に発生しやすいです。
むし歯の三大好発部位といわれるのが、かむ面の溝・歯と歯の間・歯と歯ぐきの境目ですが、酸蝕症は摂取した酸性の飲料が口の中で広がり、歯の表面全体に脱灰が起き始めます。初期の段階で見ただけでは酸蝕症と見きわめることは困難です。進行してくると、前歯であれば先端のほうが薄くなり透明感が増して、歯の形が丸みを帯びてくることがあります。かむ面では歯のデコボコがなくなり、中の象牙質と呼ばれる部分が見えてくることがあります。酸蝕症の自覚症状として、冷たい物がしみるなどの知覚過敏の症状が出てくることがあります。
むし歯か酸蝕症かは、見た目だけの判断ではなく患者様の食習慣の確認が必須になります。患者様が意識せずに酸性飲料を飲んでいることが多いので医院とのコミュニケーションも大切になります。
日頃から定期健診を受けていただいていると発見しやすいので、症状がなくても定期的に健診を受けましょう!!
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