保存不可能なブリッジ部分を抜歯後にインプラントで治療した症例
保存不可能なブリッジ部分を抜歯後にインプラントで治療した症例
こちらの患者さまは、過去に治療した右上ブリッジの違和感を主訴で来院されました。
初診時の口腔内
右上奥歯部分に3本分のブリッジが入っていましたが、ブリッジと歯肉に境い目からむし歯が進行していました。
カウンセラーと相談のうえ、インプラント治療をご希望されましたので、CT撮影を行ない、骨や上顎洞の検査をしました。
インプラント手術前のCT検査
CT検査の結果、むし歯以外に右上4番、5番の根の先に病気(根尖病巣)や骨のボリュームが薄く、上顎洞までの距離が短いことが確認されました。
顎の骨は抜歯後に治癒する過程で、ボリュームが減る現象(骨吸収)が起きる可能性もあるため、今回の手術は現在の骨のボリュームを維持しながら行う必要があり、抜歯即時埋入法が適応と判断しました。
抜歯即時埋入法は、抜歯とインプラント埋入を同日に行うため、体の負担を軽減できます。
さらに、上顎洞までの距離が短く、埋入時に上顎洞を傷つける事態を防ぐため、サイナスリフト(上顎洞底挙上術)で上顎洞を持ち上げ、ボリュームを作り、必要に応じて骨補填も行う計画を立てました。
【術式】静脈内鎮静法・抜歯即時埋入・サイナスリフト・骨補填(GBR)
インプラント手術後のCT検査
術後のCT検査にて3本分のインプラントが入っていることが、確認できます。
根尖病巣はしっかりと掻把し、レーザーにて感染源を取り除きながら、上顎洞(サイナス)を押し上げ、骨補填とインプラントの埋入を行っています。
術後のCtでは5番、6番付近の上顎洞が挙上していることが分かります。
また、4番、6番のインプラントは埋入時にかかる力(トルク)が出たため、キャップ(ヒーリングカラー)を付けて2回目の手術が必要ない形にしました。
5番のインプラントはサイナスリフトを行なっているため、指や舌で触れないようにキャップは付けず、歯肉の中に埋め込んだ状態で骨とインプラントが結合するのを待ちました。結合期間が明けた後、4番、6番の様にキャップに付け替えました。
治療前後の比較
年齢・性別 | 50代 女性 |
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治療期間 | 1年 |
治療回数 | 7~10回 |
治療費(税込) | インプラント手術 約2,350,000円 |
リスク・注意点 | ・インプラントは定期的にメンテナンスが必要となります。 ・口腔内が不衛生になると、インプラント周囲炎を引き起こす可能性があります。 ・セラミックのかぶせ物は部分的に強い力がかかると、欠けたり、外れたりすることがあります。 |