骨粗鬆症と歯周病の関連性
投稿日:2024年11月14日
カテゴリ:スタッフブログ
骨粗鬆症と歯周病に関係性があることをご存知ですか?
骨粗鬆症は代謝性疾患、歯周病は感染性疾患のため、一見関係性が無さそうに見えますが、
実は深い関係があることが分かっています。
歯周病は細菌によって歯肉の炎症や出血を起こし、最終的には歯がぐらつき抜け落ちてしま
う病気です。
歯周病菌は毛細血管から全身へとめぐり動脈硬化や心臓病、糖尿病、肺炎、早産などに悪影
響を及ぼすことが分かっています。
本日のブログで骨粗鬆症と歯周病の関係性について深く考え、骨粗鬆症と診断されている方
やリスクの高い方がお口の健康も考えられるきっかけにしていただきたいです。
◎骨粗鬆症とは
骨粗鬆症は骨密度の減少を特徴とする全身疾患で、骨密度が減り、骨の脆弱化や骨折などを生じやすくなる病気です。高齢者の場合、骨折がきっかけとなり寝たきりになるケースも多くあります。
加齢や女性ホルモンの減少が関わっており、閉経後の女性に特に多くみられます。
男女比は1:3で圧倒的に女性に多い病気です。
女性が多い要因は
1.元々女性の方が骨密度が低い
2.閉経後に急速な骨密度の低下がみられる
3.女性の方が長寿なこと
50歳頃から女性の骨粗鬆症患者が増加し、高齢女性の人口の半数が患っています。これは
閉経による卵巣機能の低下により、骨代謝に関わるホルモンのエストロゲン分泌の低下によ
り発生します。
《骨粗鬆症になる危険因子》
危険因子は様々ですが、遺伝、ライフスタイル、疾患、医学的障害の四つに分けられます。
◎遺伝… 閉経、加齢、人種、体型
◎ライフスタイル… 偏食、カルシウム・運動・日光浴不足
◎疾患… 糖尿病、甲状腺機能亢進症、腎不全、喫煙
◎医学的障害… 持続する更年期症状、月経前緊張症
《骨粗鬆症は歯周病の危険因子になるのか》
研究では歯周疾患や歯周炎の危険因子であるかは、はっきり断定されていませんが骨粗鬆症
と歯周病と診断された患者は3年後に歯を支える歯槽骨の骨喪失が確認されています。
またすでに歯周炎のある方で骨粗鬆症も患っている方では歯槽骨吸収がより強く、全身的に
低い骨密度の方は歯周炎進行の危険度が高いことも解っています。
閉経後の女性で骨粗鬆症の方では歯周病の進行を強め、歯が早期に喪失する可能性が高くな
ります。
歯の喪失によって噛む機能も低下し、消化吸収の力も低くなり、栄養が偏り全身疾患の要因
にもなります。
さらに歯を喪失させたままにすることで、磨きにくくなりむし歯・歯周病の悪化、認知症リ
スクの上昇、慢性的な肩こりや腰痛リスクも上昇します。
歯の残存歯数が少ない方は、多い方に比べて介護が必要となるが可能性がより高いことや
、80歳以上になってから歯を失うよりも65〜79歳の中壮年期に歯の喪失がみられた患者様の方が要
介護となるリスクが高いことも解っています。
骨粗鬆症と診断された方やリスクの高い方は、歯科健診で口腔内の状況を確認しましょう。
そして歯周病の予防のメンテナンスや治療を受けて、年を重ねても健康な歯を多く残し、全
身の健康も維持して充実した生活を送ってください。
さいたま市中央区 伊藤歯科医院でも歯科健診を受けていただけます。口腔内の検査結果を
もとに資料の作成、ご説明もおこなっていますので、ぜひお越しください。
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