お口の癖について③
投稿日:2022年12月14日
カテゴリ:スタッフブログ
前回までのお口の癖についてでは、TCH(上下歯列接触癖)、歯ぎしり、くいしばりなどについてで、どちらも気がつかずに長く続けてしまうことで歯に何らかの影響を与えてしまうということをお伝えしました。
今回は、子どもの歯並びに影響を与えてしまう癖についてです。
まず、悪い歯並びとは、どのような歯並びなのでしょうか?また、歯並びが悪いと口腔内にどのような影響があるのでしょうか?
・反対咬合(受け口)・・下の前歯が前に出ている→食べ物がかみにくい、発音しにくい。
・開咬・・上下の前歯に隙間がある。→上下の前歯がしっかりかみ合わず隙間があるので、前歯で食べ物をかみ切れない。かみ合っている奥歯がすり減りやすい。顎関節症のリスクも高くなる。
・上顎前突(出っ歯)・・前歯が前に飛び出ている。→口を閉じられず、口の中が乾燥しやすいので、唾液の自浄作用、抗菌作用が弱くなり、ムシ歯や歯周病のリスクが高くなる。
・叢生・・顎が小さく歯が並ぶスペースが足りず、歯が前後してデコボコしたかみ合わせ。→歯磨きしにくいので、磨き残しが多くなりムシ歯や歯周病のリスクが高くなる。
歯並びに影響を与えてしまう癖には、どのようなものがあるのでしょうか?
・指しゃぶり・・指しゃぶりを続けていると、指が上下の歯の間に指がはさまった状態が続き、指に押されて上顎前突や開咬になる可能性がある。
・口呼吸(お口ポカン)・・安静時に正常な鼻呼吸を行う際、通常口唇は閉じています。
口唇が、閉じていない状態が長いと、舌の位置が下がったり、口の周りの筋肉が育たず、顎の形成不全や歯列不正になる可能性がある。口が乾くので、口臭やムシ歯になりやすくなる。
口呼吸は、鼻炎や咽頭扁桃肥大が原因の場合があるので、(このような場合は、耳鼻科での治療が必要)原因をみつけることが大切です。
・舌突出癖(舌を前に出す)・・口の中の舌の正しい位置は上の前歯の少し後ろ、舌を前に出す癖があると歯が舌に押され、上顎前突や開咬になる可能性がある。
・頬杖・・顎が片方に押されて、癖として習慣化されると左右にズレを生じる。
・噛まないで食べる・・よく噛まないと顎の発達が遅れ、歯が並ぶスペースが足りず、デコボコした歯並びになる可能性がある。顎の発育にとってよく噛むことは大切。
普段何げなく行なっている癖は、実は歯並びや顎の発育に影響を与えているかも知れません。
すぐに直すことは難しいですが、前回のTCHや歯ぎしりと同様、早めに癖に気がつき、意識して改善していくことが大切です。
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