歯科医院に伝えておくべき病気と治療と症状「癌(がん)」②
投稿日:2023年3月29日
カテゴリ:スタッフブログ
前回は【癌(がん)】についてお話していきましたが、今回は【癌(がん)と歯科医院との関係】についてもう少し詳しくお話していきます
【頭頚部癌】と歯科の関わり
前回【頭頚部癌】はとくに歯科に最も関係をしており癌自体の発現している場所が脳・目以外の頭頚部でありその1つが【口腔癌】でもあるとお話してきましたが、そもそも頭頚部とはどのような機能があるかご存じでしょうか?
頭頚部は生活するうえで重要な機能が多く集合している部位であり、そのなかには【発声・
構音・呼吸・嚥下・咀嚼】といったものがあります。どの機能も失ってはいいものはありません。その為癌の治療はその患部を完全に癌を根絶することだけが目標ではなく、重要な機能を保ち、維持していくことが大切です。それらの機能を維持するお手伝いをすることが適しているのが普段から口腔内を取り扱っている我々歯科の医療従事者になります。
【癌(がん)の治療】と口腔内
まず、どの癌であれ治療方法がわからなければ適切な対応が出来ません。
癌が発現した場合、内科にて診断し処置方法が確立した後、通院されている歯科院にご連絡をお願いします。手術を行うのであればその予定日はいつなのか、入院はどのくらいの予定なのか、ご自身で手術前後の口腔ケアが可能なのか、不可能な場合の介助者はいるのか、その方は患者様の口腔内を理解しているのか、現在使用しているもので対応できるのかなど様々なことを考えなければいけません。しかし、患者様は心身ともに憔悴しきっていることでしょうから自身のこれからの事や手術・入院手続き・手術費用の工面・保険会社への連絡・ご家族への連絡・今後の仕事・家事・育児など様々なことを考えることで手一杯になるかと思います。その為その負担を少しでも軽減できるよう口腔内の分野においては歯科医院にお手伝いさせていただければとお思います。
手術が必要な場合は入院前にクリーニングをお勧めします。口腔内を清潔に保つことは免疫力の低くなった手術前後にとても重要です。細菌の抵抗力を失ってしまうと歯肉炎・歯周病・むし歯といった細菌感染が広まり、誤嚥性肺炎(飲食物とともに唾液も気道に入り工区内の細菌によって肺の炎症を引き起こす)や菌血症(血管に細菌が入り込んだ状態)を引き起こしてしまうと最悪命に関わります。
口腔内の検診を受け、長期的に通院が難しくなる場合は優先順位をつけ事前に処置が可能なものは治療をしておきましょう。
癌の治療部位・手術方法によって口腔ケアも変わって来る為担当医師によく確認し伝えていただければと思います。
上記内容は早期発見出来た場合に有効ですが、緊急手術等もある為全ての人が該当するわけではありません。少しでも日程に余裕があれば計画的に準備をしていきましょう。
次回は今回の続きと他の癌治療での歯科とのかかわりをお話していきます。
癌治療されている方(放射線・抗がん剤等)・経過観察中の方も含め最近口の中に口内炎・乾燥・炎症・歯痛等が起きやすい方、お薬が変わった方、生活の質が変わった方同時期に以前と違う症状があり気になる方は歯科医院へ受診してみて下さい。
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