インプラントの寿命は?長持ちさせるためにできること
投稿日:2024年4月3日
カテゴリ:スタッフブログ
インプラントとは?
人工の歯根を人の体に埋め込み、その上部に被せ物をして失った歯を補う歯科治療です。インプラント治療はブリッジや入れ歯と比較して残存歯を削ることや負担をかける事がないので審美的・機能的にも優れています。
インプラント治療は保険適応外のため、保険治療と比べると費用が高額になります。多くの方ができるだけ長く使い続けたいと感じると思います。ではインプラントの寿命はどのくらいで、その寿命を伸ばすにはどのような対策をすればいいのでしょうか。
インプラントの寿命
インプラントの寿命は問題が起こり除去される、もしくは抜け落ちるまでの期間です。インプラントの平均寿命は10〜15年です。
厚生労働省の委託事業の発表によると、インプラントを10〜15年残せる確率は上顎で90%、下顎で94%です。
入れ歯の寿命は約4〜5年・ブリッジの寿命は約7〜8年と言われています。入れ歯やブリッジは残存歯を支えにして欠損部分(抜けた歯)を補う治療で、残存歯への負担が大きく寿命が短くなります。入れ歯やブリッジに比べるとインプラント治療は寿命が長く、見た目や機能的にも優れていることが分かります。
インプラントの寿命を短くする原因
①インプラント周囲炎
インプラント周囲炎はインプラントを支える周辺組織が細菌に感染し炎症を起こします。
炎症が進むと支えとなる骨が溶け、インプラントがグラつき脱落する原因となります。
②メンテナンス不足
インプラント治療を受けた後は、健康な状態を維持するために定期的にプロのメンテナンスが必須です。毎日のハブラシでは落としきれない汚れを定期的に落とすことで、インプラント周囲炎を予防します。また定期的に噛み合わせを確認して、上部の被せ物の破折や脱離を防ぎます。
③噛み合わせの負担
インプラント部分に歯ぎしりや食いしばりの負担が大きくかかり続けると、被せ物の破折や脱離の原因になるだけではなく、インプラントを支える骨がダメージを受けインプラントのグラつきの原因となります。
インプラントの寿命を伸ばすための対策
定期的なメンテナンス
インプラント治療の一番の大敵はインプラント周囲炎です。インプラント周囲炎を防ぐにはインプラント周辺を清潔に保つため、日々のお手入れをしっかりとおこなうことが重要です。さらに目には見えないバイオフィルムと呼ばれる口腔内のぬめりをしっかりと落とすことも大切です。このバイオフィルムはご自身のハブラシでは落とすことが難しく、歯科医院で定期的にプロのクリーニングを受けることが重要です。
セルフケア
数ヶ月に一度のプロのメンテナンスを受けていても、毎日のハブラシができていなければ、口腔内環境をいい状態に保つことはできません。効果的に汚れを落とすためにも、歯科医院で歯科衛生士から正しい磨き方の指導を受けましょう。
就寝時のマウスピース
就寝中はご自身で歯ぎしりや食いしばりの負担をコントロールすることはできません。負担をコントロールできていないと被せ物の破折・脱落を起こしたり、骨へのダメージとなります。天然の歯には歯と骨の間に歯根膜という膜があります。歯根膜は噛んだ力を直接骨に伝えないようにするクッションのような役割を果たしています。その膜がないインプラントは噛んだ力が直接骨に伝わってしまうため、歯ぎしりや食いしばりの負担をコントロールするためにマウスピースが必要です。
インプラントは一度治療したら終わりではなく、寿命を伸ばすためのセルフケアとプロのメンテナンスの始まりです。
これまでにインプラント治療を受けた方、今後インプラント治療を検討している方は、日々のお手入れと定期検診を受けて、インプラントの寿命を伸ばし、いつまでもご自身の歯で美味しく食事をとり健康寿命も一緒に伸ばしましょう
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