歯周病にかかりやすいかかりにくいがあるのはなぜ?1
投稿日:2023年9月4日
カテゴリ:スタッフブログ
みなさんこんにちは!9月になっても暑い日がまだまだ続きそうですが、暑さに負けずに頑張ってください。 今回は歯周病のかかりやすさが患者さんによってなぜ違うのかについて説明していきます。 まず歯周病は細菌による感染症です。細菌の攻撃力と歯周組織の抵抗力のバランスがとれている時にはなにも起こりません。細菌の病原性が悪くなったり、歯周組織の抵抗力が弱くなればバランスが崩れて歯周病が発症します。 バランスを決めるのは細菌の病原性(細菌の種類と菌の量)と歯周組織の抵抗力(遺伝と生活習慣)です。たくさん汚れがついている場合でも歯周組織の抵抗力が強く歯周病が発症しない場合があれば、お口の中が綺麗でも歯周組織の抵抗力が弱く歯周炎を起こすこともあるなど人によって異なります。バランスを崩す要因がはいくつもあるり、これらの要因が多いほど歯周病になりやすいです。 このうち、細菌の種類と患者さんの遺伝はかえられません。しかし細菌の量と生活習慣は変えられます。それらの要因を改善すれば歯周病になりやすい人でも発症を予防できます。 『バランスを崩す要因』 【歯周組織の抵抗力を下げる要因】 【細菌の病原性を上げる要因】 生まれつき弱い免疫力 悪玉歯周病菌 加齢 磨き残し 唾液量の低下 歯肉からの出血 口呼吸 タバコ 生活習慣 口呼吸 この後はこれらの要因のいくつかを詳しくお話します。 《細菌には様々な種類がある》 歯につく細菌の塊をバイオフィルム(プラーク)といいますがこのバイオフィルム細菌には悪玉菌と善玉菌がいます。悪玉菌の中にも様々な種類がいて悪性が強いものやそれほどのものもいます。菌によって重症化しやすかったり、軽度ですむ場合もあります。ただ磨き残しが多ければ細菌の量が増えて重症化のリスクはあがります。 歯周病はバイオフィルム細菌による感染症です。そのためお口の中にどのような種類の細菌がいるかは大切です。10種類以上あり病原性もことなります。病原性の高い細菌がすべて揃っている人は人口の約4割程度と考えられています。また歯周病菌がまったくいないという人も1割程度いるそうです。バイオフィルム細菌は十人十色で指紋と同じくらい種類があるといわれています。 バイオフィルム細菌は生まれたときからすみはじめ成長とともに定着し増えていきます。何歳で固定されるかは個人差が大きくはっきりしないですがだいたい30歳くらいではないかと推測されています。バイオフィルムに一度棲みついた細菌は抗生物質や抗菌剤を使っても追い出せません。 しかし、セルフケアと歯科衛生士によるプロフェッショナルケアをうまく組み合わせれば歯周病の発症、再発を防ぐことができます。
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