妊娠中のお口の中とケアについて
投稿日:2023年4月5日
カテゴリ:スタッフブログ
妊娠中は、お口のトラブルが多いことはご存知ですか?歯周病やむし歯になりやすかったり、さまざまなトラブルに注意が必要です。
妊娠中は、女性ホルモンが増えてホルモンバランスが変わるので、お口の中の状態が大きく変わります。
女性ホルモンは、唾液から口の中にも侵入します。歯周病菌は、この女性ホルモンを好む性質があるため、妊娠中は歯周病菌の動きが活発になり、妊娠前は歯肉炎でなかった人でも歯肉に炎症(歯ぐきが腫れたり、出血すること)が起こりやすくなります。妊娠中の体調不良で免疫力が低下すると、歯肉の免疫力も低下し、他の原因と重なって歯肉炎になってしまうことがあります。(妊娠性歯肉炎)
妊娠中の歯周病は、早産(妊娠22週から37週未満の分娩)や低体重児出産(2500g未満)などのリスクが高まりますので注意が必要です。
妊娠初期は、つわりがひどくなる場合があり、歯ブラシを口に入れただけで気持ち悪く感じてしまい、歯をしっかり磨くことが難しくなってしまいます。また、唾液の分泌も低下しやすくなります。
口の中は、通常中性に保たれています。食べ物が入ると歯垢の中の細菌が、糖分を分解して酸をつくり、酸性に傾くことでむし歯になりやすくなります。唾液は、酸性に傾いたお口の中を中和してくれるという重要な働きがあるので、唾液の量が減ってしまうとむし歯のリスクが高まります。妊娠中は、酸っぱい物が欲しくなることがあるようで、酸性の食べ物を多くとるとさらに酸性に傾いてしまう傾向があるようです。
つわりで食事の時間が不規則になったり、一度に食べられる量が減り空腹状態が多くなり間食など食べる回数が増えるなど、口の中の環境を悪化させる要因も増えてしまいます。
つわりがひどい時は、一日のうちで体調がよい時間に歯磨きを行いましょう。歯ブラシはヘッドの小さいものを選びます。歯磨きの時は、下の方を向いて前かがみの体勢で歯ブラシを舌に当てないようにすると嘔吐感を減らせます。歯磨き粉は、香料の強いものは避けましょう。磨けない時は、お水や洗口剤(ノンアルコールで低刺激のもの)で、ぶくぶくうがいをしましょう。
妊娠中期は、比較的体調も安定しているので、歯科健診を受けて歯周病の検査や歯のクリーニング、むし歯があれば、この時期に治療を受けるとよいでしょう。
赤ちゃんの歯の元となる種のようなものを歯胚(しはい)といいます。乳歯の歯胚は、妊娠7週から10週くらいにできます。妊娠14週くらいになると永久歯の歯胚もできてきます。
良質なタンパク質・・・歯胚など歯の基質をつくる
カルシウム・リン・・・歯の石灰化
ビタミンA・・・エナメル質の形成
ビタミンC・・・象牙質の形成
ビタミンD・・・カルシウムの代謝・石灰化の調整
胎児は、お母さんからの栄養をもらって育ちます。赤ちゃんの体は急速にできあがっていくので、食事はバランスよく、上にあげた栄養素も積極的にとりましょう。
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