妊娠していますが治療はできますか?
投稿日:2018年5月23日
カテゴリ:スタッフブログ
2018年05月23日
当院には、ご妊娠されている方にも多数ご来院して頂いております。
その中で、妊婦さんからのよくあるご質問についてご説明したいと思います。
☆レントゲン撮影により、胎児への影響は?
日本で1年間に浴びる自然放射線量はおよそ1.4mSvであり、歯科治療で行われるデンタルエックス線撮影150枚に匹敵します。また、防護エプロンの着用により被ばく量を軽減でき、かつ歯科用のエックス線撮影は腹部からも離れており、胎児にはほとんど影響がありません。したがって、診断治療のために必要に応じてエックス線撮影を行っても問題ないと思われますが、撮影は必要最低限にとどめるべきです。
☆妊産婦の歯科治療時の局所麻酔は使わないほうがよいですか?
2%リン酸リドカイン製剤(歯科用キシロカイン、オーラ注)を通常量使用した場合、胎児や母乳への影響はほとんどないと報告されています。麻酔無しでは痛みを伴う治療の場合、痛みによるストレスを考えると、安定期(16週以降)の場合は局所麻酔を使用した方がよいでしょう。また麻酔の痛みを極力減らすため、表面麻酔や細い注射針、やさしく緊張を和らげるような対応も大切なことです。それよりも妊娠前に歯科健診を受け、疾患があれば早めに治療しておきましょう。
☆妊産婦に対して、鎮痛剤や抗菌剤を処方しても問題ないですか?
基本的に妊娠中は薬を内服しない方がよいと考えます。特に妊娠初期は胎児の器官や臓器の形成期であるため、薬は使用できません。しかし、薬を使用しないことで母体に悪影響があると考えられる場合には、胎児への影響の少ない(非ピリン系のアセトアミノフェン)や抗菌剤(ペニシリン系、セファロスポリン系)を必要最小限投与します。なお、授乳中の鎮痛剤や抗菌剤の使用については、母乳中に薬の成分が移行する量はわずかであるため授乳をやめる必要はないでしょう。ただし、心配な場合は授乳の直後に使用すれば影響はより少ないでしょう。
日本小児歯科学会HP引用
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