歯科医院に伝えておくべき病気・治療法・症状「骨粗鬆症」
投稿日:2023年9月15日
カテゴリ:スタッフブログ
皆さんは歯科医院に通院する際必ず最初に問診表を記入するかと思います。その際に薬剤や主な病気等についての記入を求められますが、実際なにが歯科に関係しているのか、どうして聞かれているのかご存じの方はそこまで多くはないかと思われます。今回は歯科に関係のある病気の一つである【骨粗鬆症】についてご説明していきます。
【骨粗鬆症】とは
骨は体と同じく常に新陳代謝が行われています。古い骨は破骨細胞により骨吸収が起こり、その後骨芽細胞によって新たに骨が作られ形成されます。このサイクルを永遠と繰り返し行っているのが正常運転ですが、このサイクルのバランスが崩れてしまうと骨芽細胞が骨を過剰に吸収しすぎることによって骨形成に必要な正しい量が得られず骨量が減少し骨の強度が著しく低下してしまいます。低下したことでちょっとした衝撃で骨折しやすくなります。(正常な人の骨量は30~40代前半が最大骨量であり以降減少していく)
骨粗鬆症は男女差が激しく、女性1000万人に対し男性は300万人といわれています(2015年調べ)また多くの人が自覚症状はなく診断・治療をされているのは1~2割程度に過ぎません。
大体の方は既に通院されている内科・外科等で念のために骨密度も検査し発覚したという方が殆どでしょう。他健康診断にて検査された方や骨折したことをきっかけに骨密度を検査されたという方珍しくないでしょう。
【主な原因】
大きく3種類の要因に分類できます
身体的要因 … 高齢・女性ホルモン減少
家族歴(骨密度が低い・骨粗鬆症の人がいる)痩せすぎている
生活的要因 … 喫煙・カルシウム不足・運動不足・過度の飲酒・
日照不足(ビタミンD不足)
その他の要因 … 薬剤の服用(甲状腺ホルモン薬・ステロイド性抗炎症薬)
内科的疾患(甲状腺疾患・関節リウマチ・糖尿病など)
卵巣摘出・胃摘出
女性は閉経直後急激に骨量が減少
【口腔内への影響】
骨粗鬆症の方は歯周病の進行による歯の喪失リスクが高く、骨粗鬆症の治療により喪失リスクを低減することがわかってきています。
また、骨粗鬆症の薬剤(強力な骨吸収抑制薬)であるビスホスホネート製剤やデノスマブは顎骨壊死の発生する恐れもありますが、治療方法によっては顎骨壊死の発生頻度が極めて低いものもある為、歯科治療時にどの薬剤をどのように処方・治療されているのかが重要になります。また、場合によっては主治医への休薬を尋ねることもあります。特に外科的処置を予定している場合は事前に最新の情報が記載されたお薬手帳を事前に提出しておきましょう。メインテナンスにて歯科に通院されている方は骨粗鬆症の治療が開始されたこと、どの薬剤をどのように、どの頻度で行うか等を担当医に伝えておきましょう。
ご自身の病気・薬剤・口腔内への影響や歯科治療(抜歯・外科的処置への影響)についてのご相談、今後のメインテナンス方法等気になる方は是非さいたま市中央区にある伊藤歯科にご相談下さい。
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