妊娠中のお口のケアどうしたらいいの?
投稿日:2024年2月19日
カテゴリ:スタッフブログ
こんにちは。
伊藤歯科医院のブログをご覧いただきありがとうございます。
さっそくですがみなさん、妊娠中はむし歯や歯周病のリスクが高まると聞いたことはありませんか?
今日は妊娠中の口の中の変化や歯磨きについてお話しします。
◎むし歯や歯周病のリスクが高まる原因について
①不十分な歯磨き
つわりの影響で食事の回数や間食が増える方や、何度も嘔吐してしまう方、歯ブラシを口に入れることすら気持ち悪くなる方もいらっしゃいます。
そのため歯周病だけでなくむし歯のリスクも高まるといわれています。
つわりで気持ちが悪いと、しっかりとした歯みがきをするのが難しくなります。また、つわりの症状である嘔吐で胃酸が逆流すると、口の中が酸性になり、むし歯ができやすい環境になります。
②食の変化
つわりによって食欲が増す人や、食べられなくなる人、様々です。
中期以降は、子宮が大きくなるため胃が圧迫され、1回に必要な食事量が摂れなくなり、1日3食のバランスが崩れて「ちょこちょこ食べ、だらだら食べ」になりがちなことも、むし歯や歯周病が進行する原因になります。
③唾液の減少
唾液には口の中を潤すだけではなく、食べカスや細菌を洗い流す自浄作用、菌の増殖を抑える抑制作用の働きをする役割があります。
しかし、妊娠をきっかけに女性ホルモンの影響を受けて、唾液の出る量が減ることがあります。
そうすると口の中が乾燥しやすくなることや、食べカスが残りやすくなることがあり細菌が増えやすい環境になるのも原因の一つです。
④ホルモンバランスの変化
歯周病の原因菌のなかには「エストロゲン」という女性ホルモンの影響を受けて活動を高める菌が存在しています。
妊娠中はエストロゲンの増加によりこれらの菌の活動が活発になるのも歯周病の進行を促進する原因の一つと言われています。
さらに「プロゲステロン」という女性ホルモンが増加すると、プロスタグランジンと呼ばれる炎症物質が増えることも要因として考えられます。
これらの女性ホルモンは妊娠後期になると月経時の10~30倍にもなるといわれおり、妊娠中期から後期にかけて、妊娠性歯肉炎を発症しやすくなります。
◎妊娠性歯肉炎とは
妊娠性歯肉炎とは、症状そのものは普通の歯肉炎とほとんど同じで、歯ぐきの腫れや痛み、歯みがき時の出血などが主な症状です。
多くの場合、妊娠5〜20週目ごろから歯ぐきの腫れや出血がみられるようになります。
そして、妊娠32週目ごろになると口臭も伴うようになってきます。
妊娠中に歯肉炎や歯周炎になってしまうと、そうでない妊婦に比べて早産を引き起こす確率が3倍以上にもなるといわれています。また、低体重児出産のリスクも高くなります。
◎予防法
①セルフケア
そもそもの原因である女性ホルモンの分泌は、自分の力でとめることはできません。口の中を清潔に保つことが一番の予防法になります。
毎日、できるだけ丁寧にブラッシングをすることが大切です。
歯ブラシだけでは汚れを取り切ることは難しいのでフロスなどを使い、歯と歯の間も清潔に保ちましょう。
②歯科医院でのプロフェッショナルケア
セルフケアも大切ですが、それだけでは磨き残しや、歯ブラシが届きにくい部分があります。歯科医院で定期的に歯垢(プラーク)や歯石などの汚れを取るクリーニングをしてもらうことが大切です。
③水分補給
妊娠すると、ホルモンバランスの変化により、唾液の分泌量が減ってしまうと先ほどお話ししました。
唾液の分泌量が減少しお口の中が乾燥すると、自浄作用や菌の増殖を抑制する作用が発揮できなくなり、お口の中に、歯周病菌が繁殖してしまいます。
水分補給をまめに行い、お口の乾燥を予防しましょう。
もし、妊娠中に歯ぐきの腫れや出血などの症状を認めたら、一度歯科医院を受診して相談されることをおすすめします。
そして、妊娠中も無理のない範囲で、丁寧な歯磨きを行い妊娠性歯肉炎やむし歯予防をしましょう!
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