治療したのにまたむし歯!? ”銀歯”がもたらす私達への影響
投稿日:2023年6月2日
カテゴリ:スタッフブログ
こんにちは!いつも伊藤歯科医院のブログをご覧いただきましてありがとうございます。
本日はむし歯治療で多く目にすることのある“銀歯”について、お話していこうと思います。
当院では保険診療の際にお選び頂ける素材になりますが、“銀歯”はこれまで歯科治療の経験がある方は皆さま馴染みがあるのではないかと思います。長い歯科治療の歴史の中で、日本では1961年に“銀歯”がむし歯治療に使われるようになりました。これは「国民皆保険」という現在の健康保険制度の前進が始まった年です。戦後まだ物資が足りなかったこの時代に、歯の修復の材料として比較的安価であった12%金銀パラジウム合金を保険適用の材料として使うことが定められました。そこから現在も尚、むし歯治療で“銀歯”を使用しているわけですが、この“銀歯”がもたらすご自身への影響を皆様はどこまでご存知でしょうか。
はじめに“銀歯”のメリットというのは
・保険制度で治療が受けられるためコストが抑えられる
・金属なので強度が強い
この二つだけとなります。
対するデメリットは
・見た目が良くない
・精度が比較的甘いのでむし歯が再発しやすい
・金属アレルギーを引き起こす可能性がある
・金属イオンが溶けだして歯肉にメタルタトゥーと呼ばれる変色をおこすことがある
・経年劣化で腐食や変色してしまう
などがあげられます。
見た目に関して、お口全体を見て白い歯に銀色の詰め物は見た目がよろしくありません。見た目なんて気にならない!という方でも、せっかくむし歯治療でお詰めした“銀歯”ですが、約74%の確率でむし歯が再発してしまうといわれています。再発してしまいますと再び治療が必要になります。保険が適用するので一回の治療における費用は抑える事ができますが、繰り返し治療をすることでその度に保険診療の費用が加算することになります。総額にすると歯を失くしてしまった時の治療のひとつにある自費診療のインプラント治療とでは費用の大差はさほどないとも言われています。
金属アレルギーに関してですが、 “銀歯”の成分のひとつにパラジウムという成分が含まれています。このパラジウムが唾液に溶け出すことによって金属イオンを放出します。その結果、原因不明の湿疹でしたり、関節痛をお持ちの方はお口の中に金属がある事が原因として考えられることもございます。それだけでなく、舌の上で炎症が起きてしまうと味覚障害でしたり、突発的に脱毛症を引き起こすともいわれています。
さらに、金属イオンがお口の中に溶け出すことによって歯肉に色素沈着を生じ、ご自身の歯肉が黒く変色してしまうことがあります。一度色素沈着をしてしまった歯肉を再びきれいな状態に戻すためには自費診療で治療することが可能ではありますが、費用やご負担がかかってしまうことは確かです。“銀歯”は100%腐食していきます。腐食することでお口の中だけでなく、お身体にも影響を及ぼしてしまうということを知っていただけたらと思います。
ここまで“銀歯”がもたらす私達への影響についてお話させて頂きました。結果的に一番お伝えしたいことは、せっかくむし歯の治療で使用されている“銀歯”が実はご自身の歯を失くす近道となってしまう。ということです。
こうした”銀歯“のデメリットを改善した代表的な素材がセラミックになります。
セラミックの詰め物は自費診療となります。その為、費用は保険診療に比べてかかってしまいますが、むし歯の再発予防に特化しており、審美性が高く、長持ちする傾向があります。ただし、これは保険診療にも自費診療にも言える事ですが、どちらも人工物の詰め物なので、毎日のセルフケアや定期的なメンテナンスをしてきちんとお手入れをすることが長く使っていただく為には一番大切です。
むし歯や治療が必要な歯はお口の中の数ある歯のたかが1本と思うかもしれませんが、その1本の歯を少しでも多く残しておくことがご自身の将来の生活にもかかわっていきます。現在“銀歯”が入っていてご心配のある方、むし歯が再発したくない方、セラミックが気になるという方は、一度伊藤歯科へご相談ください!
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