歯周病はどんな病気?
歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患で、歯の周りの歯ぐき(歯肉)や、歯を支える骨(歯槽骨)などが溶けてしまう病気です。
歯と歯肉の境目(歯肉溝)の清掃が行き届かないでいると、そこに多くの細菌が停滞し(歯垢の蓄積)歯肉の辺縁が炎症を起こして赤くなったり腫れたりしますが、痛みはほとんどの場合ありません。
さらに進行すると膿がでたり歯が動揺してきて、最後には歯を抜くことにもなりかねません。
歯周病には、それを進行させる因子がいくつかあります。
喫煙、糖尿病、咬合性外傷、不適合補綴物、ホルモンバランス、ストレス、遺伝、肥満、家族間感染などです。
これらの歯周病を進行させる因子へ対応することが大切です。
また、歯周病は多くの病気に悪い影響を及ぼします。 歯周病の炎症によって出てくる毒性物質が歯肉の血管から全身に入り、様々な病気を引き起こしたり悪化させる原因となります。
炎症性物質は、血糖値を下げるインスリンの働きを悪くさせたり(糖尿病)、早産・低体重児出産・肥満・血管の動脈硬化(心筋梗塞・脳梗塞)にも関与しています。
また、歯周病菌のなかには、誤嚥により気管支から肺にたどり着くものもあり、高齢者の死亡原因にもなる誤嚥性肺炎の原因となっています。
近年では認知症との関連も報告されています。