本日は、妊娠期に歯科受診が必要な3つの理由についてお話ししていきます。
1.妊娠中は口腔内のリスクが高まる!
妊娠期は、つわりなどによる生活・食習慣の変化に加え、胎盤から女性ホルモンの影響によって、さまざまな口腔内疾患の発症リスクが高まる時期と言われています。 しかし、妊娠中は食事や運動、さまざまな制限や我慢をしなければならないことが多くあります。口腔内トラブルに対しても、赤ちゃんに悪影響を及ぼすことを心配して歯科受診を控えてしまう方が多いです。
また、歯科医院側も妊婦というだけで歯科治療を躊躇し、適切な対応を先延ばしにしてしまい、出産後の再受診時には病変が進行してしまったケースも多いのが現状です。 このような悪循環を断ち切るために、適切な妊婦歯科診療が必要です。
2.早産や妊娠合併症のリスクと関連するから。
歯周病が心臓病・糖尿病、さらにはアルツハイマー病などのさまざまな全身疾患に関連することが注目されているのはご存じですか? そのなかで妊婦の歯周病が早産・低体重児出産と関連することが明らかとなってきました。 また、最近では妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群などの合併症にも関連することが報告されています。したがって、母子ともに健康な状態で出産を迎えていただくためにも妊婦に対しても適切なOHIが必要なのです。 さらに、歯周病は不妊症とも関連することが報告されています。妊娠を望む方に対して積極的にOHIを行うことが良いと言われています。
⚠︎OHIとは、歯科衛生士による口腔衛生指導のことです。
3.妊婦の口腔や全身の健康は胎児に影響する!
妊婦による歯科診療は、妊婦本人のみならず生まれてくる子どもの口腔や全身の健康を育むことに繋がるのです。特に小児のむし歯予防の観点からは、妊娠期のマイナス一歳から母親の口腔内環境を良好に保つことがむし歯細菌の母子伝播予防にもなり、理想的な予防のスタートです。妊娠中にむし歯予防や口腔機能に関する適切な情報提供を行い、セルフケアの技術の習得、お家で実践してもらうことが子どもたちのむし歯0を育み、口腔機能の発達や不正咬合の予防にも繋がるのです。 また、むし歯や歯周病は生活習慣病であり、生活・食習慣の改善なしには、生涯にわたり口腔の健康を維持することはできません。 健康に対するモチベーションが高まる妊娠期こそ生活習慣を変えることができるチャンスなのです。 これは妊婦のみならず、家族全員に対しても当てはまることです。積極的に妊婦と関わることが、子どもやその家族の未来を良い方向に導いていくのです。
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